藍染生地の厚さ、手触り、注意点
ここでは、藍染め生地の仕上がり具合や手触り、厚さ、生地裏面などについて説明しています。
手作りならではの良い点や欠点、注意点についても出来る限り詳しく書きましたので、購入時の参考にしてみてください。
(最終更新:2022年03月)
◆藍染生地の厚さ、手触り、注意点 もくじ◆
生地の厚さと手ざわり
(画像をクリックすると、該当商品のページにジャンプします)
表面の違いが分かりやすいように、斜めから強めに光を当てているので、実際の生地より明るめの色合いになっています
通常の厚さの生地、幅90cm
※ 左側の画像は、生地の末端部(販売しない部分)を撮影しています。
柔らかくて程よい厚さで、裏地無しで服を作れるくらいの厚さです。まくらカバーや小物を作るのにもオススメですよ。
厚めの生地、幅84cm
※ 左側の画像は、生地の末端部(販売しない部分)を撮影しています。
ちょっとゴワリとした生地で、表面が平面でなく、少しザラリとしてる(凹凸感を感じられる織り)のもポイントです。
(少し太い糸で織っているので、指先で特厚生地と触り比べた場合、厚さはほとんど変わらないように感じられます)
しっかりとした頑丈な生地なので、1枚でテーブルクロスやコースター等にも使えますよ。ジーンズ生地のような感覚で、ズボンを作っても楽しそう。
(ジーンズに使われるデニム生地より、少し薄いものとお考え下さい)
特厚生地、幅110cm
※ 左側画像は、生地の末端部(販売しない部分)を撮影しています。
こちらはゴワリとしておらず、単純に普通生地を厚くしたような感じです。生地の織りも細かいですよ。
幅が110cmあるのもポイントですね。
カーテンやベッドカバーなどにもオススメです。
薄め生地、幅140cm
こちらは薄いだけあって柔らかく、糸もかなり細いものが使われています。
(柔らかいので画像ではシワが見えますが、アイロンをかけるとシワもとれて綺麗になります)
厚みは、「安売りしているプリント浴衣の生地」程度で、それよりも柔らかい生地(=細い糸を使っている)、とお考え下さい。
幅が140cmと、当店取り扱い生地で最大幅なのもポイントですね。
※ 実際の生地幅は150cmですが、左右両端がシワで縮れている場合が多いので140cmと表記しています。
(1枚だと透けるので)テーブルクロスや服には不向きですが、肌着や小さな子供の夏ズボン、レースカーテンとしてオススメですよ。
4つの厚さの生地比較
生地の厚さの参考になる『1平方メートル当たりの重さ』は、
薄め=83g/m2、普通=150g/m2、厚め=225g/m2、特厚=256g/m2 となります。
※ 生地長さ1mあたりの重さではなく、1m*1mあたりの重さです
生地を織っている糸の太さは、薄め<普通<特厚<厚め の順に太くなります。
(厚めの生地は糸が太いので、特厚よりも少しゴワリとした感触がします)
以下は、生地の規格の目安です。(専門的な内容なので、詳細な説明はここでは省かせていただきます)
厚さ 幅 糸の番手 組織の密度
普通布 90cm 21×21 60×58
厚め布 84cm 12×12 40×42
特厚布 110cm 14×14 60×60
薄め布 150cm 60×60 90×88
生地の透けぐあい
使用画像の背景
晴れた日中に、逆光になるように撮影しています。
透ける程度が分かりやすいよう、中国結びを中心に飾りました。
無地普通#7の透けぐあい例
普通の厚さの生地では、輪郭がハッキリと分かる程度に透けています。
シャツや上着などを作る際には通気性が良くてちょうどいいですよ。
ただ、スカートや(遮光用の)カーテンに使う場合は二重にするか裏地を付ける事をオススメします。
※ 2枚重ねると全く透けなくなります
無地厚め#7の透けぐあい例
厚めの生地では、透ける程度がかなり抑えられています。
特に裏地を付けずに1枚だけでも、様々な服や小物に使える感じです。
※ 2枚重ねると全く透けなくなります
特厚生地と透け具合があまり変わらないのは、生地の織り方が異なり、この生地が少しザラリとしている(少し太い糸で織ってある)からです。
凹凸感がある分、生地に厚みが出ているので透けにくくなっています
無地特厚#7の透けぐあい例
特厚生地では、厚めの生地よりもほんの少しだけ透けにくいかな?という程度です。
(生地自体は厚いのですが、厚めの生地に比べると細い糸で織っているため、透け具合にはあまり差が出ていません)
※ 2枚重ねると全く透けなくなります
庭やベランダの日よけ(サンシェード)のように使うのもいいですね。
無地薄め#7の透けぐあい例
薄め生地は、ぱっと見て分かるほど透けています。
逆光下なので透けた部分が影として黒く見えています。
顔の前に生地を持ってきて、生地越しに周囲を見ると、室内でも物の輪郭が良く見える程透けて見えます。
※ 2枚重ねでも少し透け、3枚重ねるとと全く透けなくなります
単独では服などは作れませんが、薄い分やわらかく、手芸裁縫素材として幅広く使えそうです。
生地の両端と裏側の注意点
★マークがついている部分が注意点です。また、どうしてそうなるのかの理由も詳しく書いてあります。
生地画像をクリック/タップすると、表示されている柄生地の商品ページが表示されます。
★生地の両端まで柄があるものは、生地の裏側に1センチ程度の染めムラが出る場合があります。
これは、柄を出す為に防染剤(大豆と石灰の粉末)を生地の端(表側)に塗る際に、粉末が生地の横まで付いてしまう場合があるからです。
防染剤を塗った部分は染まらない(白い柄として残る)ので、完成時に染めムラとなります。
また、★染色時に使う紐の跡が長さ1cm程度の線状に残る場合があります。
これは、染色時に上から吊り下げる器具に生地を固定する際に跡として残ったものです。
★生地の両端部分の柄は、少し輪郭がボヤけている場合があります。
(藍色生地など、白色部分が少ない生地の場合)
染色時には生地の端に力が掛かるので、防染剤(大豆と石灰の粉末)が少しずれたり剥がれてしまう場合があるからです。
染色工程も職人さんが加減をしながら行っているので、こういった部分も含めて生地の風合いとしてお楽しみいただければと思います。
★生地の白い柄の中に、細い藍色の線(ヒビ)状の模様が入る場合があります。
特に、『生地の左右両端付近』や『白色の部分が多い生地』には模様が多く入ります。
この線状模様は「氷紋」と呼ばれ、手作りの草木染め生地に見られる模様です。
氷紋ができる理由を簡単に説明すると、以下の通りです。
1.藍染生地の白い(=染まっていない)部分には、大豆と石灰を混ぜた泥状の防染材が塗ってある
2.防染材が乾く途中で、水分の蒸発により若干の収縮を起こして無数の小さなヒビができる
3.染色時に、このヒビの中に藍染めの染料が入り込んで色が付く
一般的に、冬よりも夏場、薄い生地より厚い生地のほうが氷紋が出やすくなります。
この氷紋が、藍染生地に独特の風合いを演出してくれます。同じ生地でも、場所によって線の出方が変わるので、とても奥深く、温かさを感じさせてくれますよ。
★白色生地の裏側には、1センチ程度の染めムラが出ます。
防染剤を生地の端まで塗っている為です。
★無地以外の全ての生地には、防染剤(大豆と石灰の粉末)が多少残っている場合があります。
生地の白くなる部分に防染剤を塗って染色後、生地を乾燥・洗浄した後で防染剤を剥がしているのですが、部分的に残っている事があります。
汚れでは無いので、爪などで軽く擦れば簡単に取ることができます。
水でよく洗うだけでも取る事ができます。
白色生地では特に多くの防染剤を使用しているため、(一度も洗っていない)生地を触ると少し粉っぽい感じがする場合もあるかと思います。
その場合は、水洗いしていただけば綺麗になり、生地も柔らかく触り心地が良くなります。